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日本アルプス最高峰連続登山 |
実 施 日 | 2017年7月25日〜31日 | |||
リーダー | 平野裕也 | |||
報 告 者 | 平野裕也 | |||
参加者数 | 会員2名(1名は25日〜27日) |
前期高齢者最後の歳に何か記念になるプロジェクトと思い、企画した。 トランスジャパンアルプスレースのルートを辿る!ちょっと食指が動いたがあまりに日数がかかることから断念、この亜流で考えたのが北アルプス奥穂高、中央アルプス木曽駒ヶ岳、南アルプス北岳を連続して登るという今回の山行だ。 移動距離は膨大だがルート上で見ると歩いた距離はわずかであり殆どが交通手段を使っての移動となったが、標高差では登り4900m、下り4600m、歩行時間は39時間となり、まるで5000m峰を征服した気分になっている。 |
日本アルプス最高峰連続登山ルート図, 赤:歩行、黒:交通機関利用 |
7月25日(火)雨 |
松本からバスで新穂高温泉へ。今日は白出沢出合あたりでテン泊と思っていたが大雨なので予定変更、 1時間ほど歩いて穂高平小屋での素泊まりにした。豪華な黒檜風呂に大満足 |
穂高平小屋 | 黒檜の根っこをくりぬいた豪華風呂 |
7月26日(水)曇り |
5時半出発。1時間ほどで右股谷から白出沢出合へ。幸い雨は降っていない。30分ほどで重太郎橋着。今年は雪が多く、まだ橋は架かっていなかったため、沢芯に下りる3mほどをロープで下る。右岸に梯子が見えるが水量が多く渡渉点に苦労する。 結局下半身ずぶ濡れで渡渉、雪渓の縁を渡って梯子にたどり着く。岩切道を通過し、険しい登りを続けて行くと2400mあたりで雪渓が現れたのでアイゼンを着ける。ガスがかかりルートが分かりにくかったが時折日差しもあり、ひたすら登ってゆくと白出沢のコルが見えてきた。 1時半過ぎにコル到着後空身で奥穂高山頂(3190m)を往復、目標の一座目を達成する。ザイテングラードを下って涸沢テント場に6時前に到着した。12時間行動でさすがにぐったり。 |
6oロープで沢芯へ下降 | 梯子を登り岸壁をトラバース |
白出沢の雪渓 | 目標一座目の奥穂高山頂 |
7月27日(木)曇り |
パノラマコース経由上高地に下る予定だったが多雪のため通行不能とのことで横尾谷を下る。 ひっきりなしの登山者に道を譲りながら横尾、徳沢、明神と辿って6時間半ほどで上高地に到着した。 バス、電車と乗り継ぎ松本駅で帰宅する木村さんと別れ、ここからは一人旅となった。 篠ノ井線、中央本線で上松に出て食料3日分を調達、木曽駒Aコース登山口に近いゲストハウスきららに宿を取る。 シャワー、厨房設備完備、母屋の宿泊所は堂々たる建物で素泊まり2800円はお得感いっぱいだ。3日ぶりにシャワーを浴び、テントや雨具など濡れ物干し、スマホ充電などでのんびり過ごした。宿泊者は他になし |
涸沢テント場 | 上松のゲストハウスきらら |
7月28日(金)曇り時々雨 |
6時にタクシーを呼び出発。今日も曇りでガスが低い。 登山口を6時30分に出発し順調に高度を上げたが7合目あたりになるとコースタイムを守れなくなってきた。 今は伊那谷側からロープウェーで登る人が殆どで木曽谷側からの登山者には一人も遇わない。 9合目あたりから雨になったので雨具を着け、2時半にガスの木曽駒山頂(2956m)に到着、目標二座目も達成できた。 宝剣山荘までは多くのハイカーや観光客に遇ったが宝剣山荘から伊那前岳へのルートに入ると再び登山者ゼロ、ひたすら下り6時半近くに1950mの清水平に到着、豊富な湧き水がある広場にテントを張った。 |
Aコース登山口 | 信仰登山道の証 |
目標二座目の木曽駒ヶ岳山頂 | 清水平テント場 |
7月29日(土)曇りのち雨 |
6時少し前にテントを畳んで出発、1時間半ほどで北御所登山口のバス停に到着する。 ロープウェー乗り場に行くバスがひっきりなしに通る。バスで駒ヶ根駅に出て飯田線で伊那市駅へ。再びバスで高遠へ。 ちょうど昼時間になったので桜の湯で汗を流したあとビールでとんかつの昼食を摂る。 また3日分の食糧を調達して仙流荘行きのバスに乗り仙流荘で北沢峠行きのバスに乗り換えて3時過ぎに大賑わいの北沢峠に着く。 このころから雨となりかなりの本降りの中、長衛荘のキャンプ場にテントを張る |
長衛荘前のテン場 | 北御所登山口に到着 |
7月30日(日)曇り |
広河原行きのバスを待っていると薄日が差し、今日は快方に向かうかに見えたが相変わらずの曇り空の中、 野呂川出合までバスを使う。野呂川出合から治山運搬路を両俣小屋に向かう。数組の登山者と釣りグループに出合う。 小仙丈沢、大仙丈沢、奥仙丈沢を横切り2時間ちょっとで両俣小屋に着く。 小屋を行きすぎたところで小屋番に呼び止められ左股沢経由北岳ルートは廃道同然で荒れているので野呂川越えから間ノ岳経由で行くようにとのこと、 それにしたがって野呂川越えに向かう。1時間ほどで仙塩尾根に出て三峰岳への登山道を行く。 偽ピークに騙されながらかなりの消耗で3時過ぎにようやく三峰岳に着く。間ノ岳までまだ一時間以上かかったが北岳山荘のテン場に6時前に到着 |
野呂川出合から北沢峠方向 | 両俣小屋 |
両俣小屋近くのヤマト岩魚保護看板 | 間ノ岳山頂 |
7月31日(月) |
早朝から次第にガスが切れ始め、テントを畳む頃には正面にベールに包まれたような富士山が見えるようになった。 この山行中初の晴天だ。快晴の稜線を登山者の流れに乗って歩いてゆくと北岳山頂に着き第三座目の目標も無事達成。 しばし景観を楽しんで白根御池への道を辿り充実感一杯で下山の途についた |
雲海に浮かぶ富士 | 目標三座目北岳山頂 |