会津駒ケ岳、三岩岳

開催日 2024年3月23日(土)24日(日)
リーダー 若木仁
参加者 4名 伊藤謙二、牛尼恭史(SL)、太田雄三、若木仁 (L)
報告者 牛尼恭史
報告日 2024年4月9日

南会津の桧枝岐の民宿 尾瀬野に泊まり、会津駒ケ岳と三岩山に登りました。1日目は風雪、2日目はど快晴。変化に富んだ春山スキーを楽しむことができました。藪がちの急斜面で横滑り練習をたっぶり行えました。

3月23日(土) 風雪の中、会津駒ケ岳(2133m)途中から滑降。たっぷり横滑りの練習。

早朝2時に埼玉県狭山を出発し、途中30分程度仮眠し、7時前に桧枝岐の民宿「尾瀬野」に到着。昨日から入っていた若木さんたち3人と合流した。

すでに下大戸沢スノーシェッド付近に若木さんの車を回していて、順調にいけば会津駒ケ岳から大戸沢山に回り、尾根か沢を車の場所に滑る予定であった。

朝8時出発。この3日間断絶的に降雪が続いたそうで、登山口で20cmの積雪があった。小雪が舞い、朝7時の気温は-6度。しばらく林道をたどり、夏道登山道ではなく左の沢沿いに登るルートを取る。途中林道を横切り、尾根まで急登が続く。先行パーティーのジグザグのトレールがはっきりしていたので、それを忠実にたどる。尾根上をしばらくたどるとヘリパッド跡に着き、夏道と合流。休憩を取ったのち、広い尾根づたいに登る。時折急な部分があるが、美しいブナ林の中、気持ちよいのぼりが続く。風はそれほど強くははないが、雪が降り続く。20-30cmの深さにクラストした硬い面があり、その上にパウダーが積もっている状態だった。下りのルートのことも考えて右側を観察しながら登る。何本も滑りやすそうな小沢が下の沢に落ちていた。下ってみたいなと内心思いながら、ひたすら尾根を登る。

シラビソの林に変わるころから風雪が強まってきた。数パーティーが下りてきた。話を聞くと、頂上まで行ったが、ホワイトアウトで風も強く、かなりしんどかったという。すでに2回上から滑っていて、3回目の登り返しをしているという、猛者の若者たちもいた。シラビソの林が薄くなる2000mで登りをやめ、引き返すことにした。

12:30滑降開始。登ってきた尾根上のふかふかのパウダーをしばらく滑る。1680mで左に分かれる大きな尾根を少したどったところから右手の急斜面を沢に向かって落ちていく若木リーダーについていく。下の沢に向かって滑りたいと思っていたが、入るのがちょっと早かったのちょっと不安だった。クラスト面の上に積もった20-30cmの新雪を流しながらの滑降は滑りやすかったが、その後、急斜面やスラフで荒れた斜面、木の密生している斜面が続き、横滑りを多用する難しい藪スキーとなった。若木リーダーによるといい斜面をそのまま下まで滑ってしまうと、下ノ沢の沢床で滝が出ている可能性が高いので、一気に滑りたい気持ちをぐっとこらえて、4つの小沢をトラバースする滑りにくいルートどりをしたということ。賢明な判断だと思う。しばらくいくとトレールが見つかった。やはり尾根づたいではなく、左側の斜面に吸い込まれていく人たちもいるようだ。スラフが結構流れていて、その上を滑ることも多く、たいていは柔らかい雪だったが、時折硬い雪にぶつかり、滑りにくかった。大きな雪の塊の一部が氷化していて、伊藤さんがそれにぶつかり、足を痛めてしまったようだ。雪崩地形のスラフの中で、ターンを決めようとして転倒してしまい、柔らかい雪の中でもがくこととなってしまった。雪崩の可能性は少ないとはいえ、雪から抜け出しスキーをつける1、2分の間は不安だった。無理にターンなどせず、慎重に横滑りで横断すべきだったと反省している。

竜の門の滝のすぐ下で下の沢の沢床に着いた。滝は出ていて、滝横を降りるのも難しそうだった。もっと早く沢に降りていれば、登り返しをしなければならなかっただろう。沢沿いに下り、林道に出て、 駒が岳登山口に戻った。(15:00)

会津駒が岳 トラック図
ここで登行終了。滑降の準備中。
竜ノ門の滝を下から見る
ちゃんとした写真を撮る余裕がない。急斜面をずり落ちる
無事下りてきました。

3月24日(日)ど快晴の下、三岩岳(2065m)へ。

晴れで朝の気温は+2度と高め。伊藤さんは硬い雪玉があたった足に痛みがあり、宿で休むことに。3人で小豆温泉近くの国体コース登山口に移動。道路が少し広くなっているところに路上駐車。8時、橋を渡り、国体コース入口の140mの急斜面にスキーで取り付く。クラスト面に20cmくらいの新雪が積もっている急斜面で、細かくジグザグを切って登っていくが、特にキックターン時にスキーが滑り、登りにくい。急斜面、登りのキックターンのテクニックは重要だろう。このような登りには、テレマークスキーは、かかとが浮きすぎず、有利だと思う。アルペンスキーの場合、かかとが完全に浮いてしまうので、蹴りこんだり、体重をうまく載せないとずるずる滑ってしまう。アルペンのビンディングは疲れないように登るために、クライミングサポートを細かく設定できるようになっているが、急斜面ではかかとがあまり上がらないようにするなど改良はできないものだろうか。太田さんかなり苦労し、結局クトーをつける。急登りを登り切り、電波塔があったところで尾根に乗る。遅れて登ってきた太田さんより、ゆっくり登りたいので先に行ってほしいとの要望がある。ルートはわかりやすいので、パーティを2つに分けることにした。若木さんと2人で先行する。

三岩山頂上は遠い。長いのぼりが延々続く。ばてないように、急がず、ゆっくり登ることをこころがけた。途中左から夏道が合流するコルからしばらく急斜面になる。左手に三岩山、右手に窓明山がよく見える。窓明山頂からは何本もゆるやかな尾根が下りていて、どこでも滑れそうな感じだった。左手に見える三岩岳山頂からの長い尾根も、記録は見ないがコースとしては使えそうだ。

尾根から谷への滑降も、登り返しをいとわなければ楽しめそうだ。とはいえ三岩岳は長丁場、今日は往復で精いっぱいだ。避難小屋の屋根は出ていた。そこからは傾斜も緩やかになるが、さらに頂上まで小一時間はかかった。12時30分には滑り始めようと話していたのだが、山頂到着は13時30分。晴天のもと四囲の眺めはすばらしかった。

昨日会津駒でも会った男性2人、女性2人の4人パーティに今日も会い、ほぼ一緒に頂上に到着。昨日、下の沢で先行していた沢筋のトレースは彼らのものだった。

14時、滑降開始。山頂からの滑りで、テレマークターンを決めようとしたが、表面がパックされはじめていて、2ターン目で転倒。疲れるのでやめた。滑りはほとんど、直滑降と斜め横滑りとアルペンターンで下りる。テレマークターンができなくなってしまった。

1650mで太田さんと合流。われわれがなかなか下りてこないので心配していた。下の方のブナ林の滑降は藪がでていて、けっこう苦行だった。さらに尾根筋をスキーで行くが、細い尾根をずっと横滑りで下る箇所があり、足がつりそうになった。大田さんから芍薬甘草湯をもらい、なんとか乗り切る。最後の急斜面も横滑り多用し、16:00、国道に下り立った。ここで解散。

会津の山は深い。尾瀬の御池から会津駒、大戸沢、三岩、窓明までは尾根伝いに来れるし、麓から日帰りでのアプローチできる山も多い。比較的静かな山スキーが楽しめる。窓明山から北側も只見方面に尾根が延び、1500m以上の山が連続している。あまり記録はないが、ぜひ足を延ばしてみたい。

三岩岳 トラック図
頂上はまだまだ遠い
頂上にて
大戸沢山、会津駒が岳方面。
山頂から西方面の展望
山頂から北方面の展望

会津駒ケ岳、三岩岳」への2件のフィードバック

  1. ワードプレスでの投稿は2度目でしたが、だいぶコツをつかめてきました。
    カラムを使うなど、あまり変なことをせず、シンプルな形式で作れば、簡単に記録を残せるのではないか。シンプルに投稿できるように、もう少し定式化が必要ではないか。

  2. いままで会津駒ケ岳は登山口からピストンでの山行をしておりましたが、斜面が狭く急で満足に滑れないので敬遠してりました。
    しかしこのコースはいいですね。また三岩岳の山頂からの展望は雄大で感動的です。

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