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野沢スキー合宿

開 催 日 2017年1月14〜16日
リーダー 高井
報 告 者 小林(義)
HP制作者 小林(義)
参加者数 14名 (会員11名、ビジター3名)

 アルパインスキークラブ恒例の野沢スキー合宿。今回は開催日に合わせたかのような今シーズン1の大寒波到来によって厳しいものとなり、2日間吹雪のなかの滑降となったため、写真も撮れず、温泉や「野沢の火祭り」を中心に楽しむこととなった。
 数年ぶりで拝見した火祭りの観客は外人観光客で占められ、日曜の夜にも拘らず大盛況であった。
 そんなわけで今回の報告はスキーについてはあまり写真を撮る余裕もなかったので火祭り中心のページとなった。


スキー

宿は温泉街の中心である大湯の横。スキー場へ上がる遊ロードにも近くロケーションは良い。 幻想的な雰囲気が漂う。雪国の夜はこの歳になってもロマンティックなものを感じる。
悪天候のゲレンデでは集合写真が撮れず宿の夕食後にパチリ



火祭り

 野沢の火祭りは日本全国にある小正月のドンド焼きの一種で道祖神祭りという。午後7時の火元もらいに始まり、8時半から前日朝から制作が始まって当日昼にやっと完成した社殿へ火つけの攻防となり、午後11時過ぎに社殿が燃え落ちるまで延々と続く。
 これからも野沢温泉スキーは継続されるであろうから、火祭りについて知識を深めるのも一興かと思い、その様子を記してみる。

A
道端の道祖神の人形が雰囲気を盛り上げる 当日午後、やっと社殿が出来上がった。
社殿の高さ7M。上の広さ40畳と大きなものである。上に42歳の厄年、下で攻め手を防ぐのは25歳の厄年。この村の男でないと参加する資格はない。 宿の道祖神人形も雰囲気を盛り上げる。この神は村境や辻に安置され災厄の侵入を防ぎ、子供の成長を願い子宝祈願の対象として祀られる。

さて火祭りが始まった

午後7:30より火元貰い。大正元年以来寺湯の河野家から貰っている。これまでの宿「かじや」から近いのでいつも上がり込んで見られた。厄年の世話人が部屋に入り酒が振舞われる。完全に酔っぱらったのを見て河野家当主が神主姿で床の間の道祖神に向かい火打石で火を取り、オガラのたいまつに点火する(以下平成16年撮影)。


乾燥したオガラは天井まで燃え上がる。よく火事にならないものだ。たいま
つは直ちに玄関先に出される。
たいまつは狭いあぜ道を祭り会場へ。酔っぱらった担ぎ手が用水路に落ち
る騒ぎも。会場の社殿上では厄男たちが「火を持ってこい」の大合唱。
たいまつの火は火床に移される。大きな火が吹雪を映し出す。火床から火
を貰って社殿の男との攻防が始まる。最初は祭りの主催者、次に灯篭の
奉納者の子供が親に背負われて、次に子供が、ここまでは微笑ましいが、
大人に代わってからは攻防は本格的になり、お互い容赦はしない。どの顔
も煤で真っ黒。
午後10時を過ぎると、攻防ストップの号令がかかり、社殿上の厄男たちは
社殿から下りる。社殿に火がつけられる。灯篭がゆらりゆらりと燃え上がる
社殿に近づいていく。うまく炎に乘って天高く舞い上がるか、固唾をのむ一
瞬である。
火祭り、もう一つの主役、花灯篭。男児の初子が生まれると子供の健やか
な成長を祈って奉納される。柱の高さ9Mほど。1月11日に仕上げられ、親
戚などを呼んで祝宴を張る。数百万円のお金がかかることと少子化で近年
灯篭の奉納は少なくなっている。この灯篭は社殿が燃え上がるのを待って
火柱の中に入れられる。
 燃え上がる社殿。灯篭が投げ入れられて炎に包まれると歓声があがる。大
きな炎の塊となって社殿が崩れ落ちると祭りはクライマックスとなり、そして終
わる。
 ここまで過去の写真によった。今年は見る場所が悪かったのと背の高い外
人の背中でほとんど祭りを見ることができずに終わった。
本年一夜明けた火祭りの現場。昨夜の熱気はすべて新雪の中に埋もれ
去った。一抹の哀愁を感じさせる現場である。
社殿の跡はまだくすぶり地元の人がこれを食べれば1年風邪をひかないと
いう餅を焼いている。それを珍しそうに写真に撮る外人。

 今回のレポートはスキーの場面がほとんどない。しかしASCの野沢山行は火祭りと一体をなしている。これ
まであまり火祭りについては紹介してこなかったので、今回スキーの情報が少なかったのを幸いに、我々に
とって非日常的なものにも目を向けることとした。
 ASCの伝統に則り、来年もまた野沢でスキー山行が行われるであろう。そのときはこのページを参考にし
て思い出深いスキー山行を行われることを期待するものである。