P−1709 横尾本谷右俣滑降

  開催日 2017年5月19日〜21日
リーダー 東京スキー山岳会会員
報告者 平野裕也
参加者数 5名(会員1名、他会員4名)

5月19日(金)
晴れ

昨晩遅く沢渡の駐車場に着き、仮眠。目覚めると快晴。早速タクシーで上高地へ。
新緑と残雪、河童橋と梓川の清流は晩春の上高地の景観の定番だがこれだけの快晴だとやはりシャッターを切りたくなる。
今回は横尾にテントを張ってのスキーなので、荷物は板や靴を入れると優に20Kgを越える。
平地だからと見くびって宴会用の食料もたっぷりのザックが肩に食い込む。明神、徳沢を越えてようやく9時半過ぎに横尾に着く 重荷のしごきから解放され、早速テントを張って11時過ぎに横尾本谷に偵察に出かける。
2時間ほどで本谷大橋に到着、ここからシール登行で涸沢への分岐から横尾本谷に入る。
本谷右俣、左俣の出合は小山のようなデブリで埋まっていたが、明日の目標である天狗のコルまでのルートを確認できたので今日の行程を打ち切り下山。途中、後発の仲間2人と会い、一緒に横尾へ。

定番ですがあまりに美しいのでつい1枚

圧倒的な迫力の屏風岩 本谷右俣、左俣出合。巨大デブリで右俣が見えない

前穂北尾根に向けて一気に下る つまみのニラレバ炒め作り

5月20日(土)
晴れ

 今日も雲一つない快晴。5時半に出発する。1時間で本谷大橋に着きスキーに履き替える。
 昨日ここに板をデポしておけばずっと楽だったに違いないなどと思いながら歩き、間もなく本谷に入る。
 デブリを越えると今日の行程が見通せたが、天狗のコルははるかかなただ。
 涸沢へは人の列が絶えなかったが横尾本谷に入ってからは単独行者1名のみ、広大なカールを独り占めだ。
 カールの底から傾斜がきつくなったのでクトーを着けジグを切りながらゆっくり登る。
 皆思い思いのルートをとっていたので気付かなかったがクトーでコルまで登りあげたのは私一人、あとはアイゼン登行で11:10に天狗のコルに到着した。正面に槍ヶ岳から東鎌尾根、
 振り向けば前穂北尾根が鋭くブルースカイを切り裂いている。
 槍沢の源頭を一直線になって肩に登る人の列もはっきり見える。風も弱かったので絶景を小1時間堪能して12:00に下山開始。
 滑り出しは40°弱の急傾斜だがすぐに緩み、カールの底まではほんの一瞬だ。
 40分程で本谷大橋に着き、板を担いで14:00、横尾のテントに戻る。そこから長い宴会が始まった

横尾本谷右俣を登る 天狗のコルは中々近づかない

キャホー!天狗のコルに到着 前穂北尾根

滑っていますが広大過ぎて・・・ あっという間に涸沢分岐に到着

テントに戻ってシール干し 焼き鳥のあとはアヒージョです

三日目
5月21日(日)
晴れ

今日は撤収。
食料分は減ったが相変わらず荷物は重い。6:30に横尾を出て上高地に9:20に到着、
3日間の快晴に感謝しつつ帰路に着いた

沿面距離12.5km、累計高度登り1336m、下り1312m

拡大図 赤:登り 青:降り

東からのGoogle画像 槍の穂先が尖がっていませんね