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北海道の山旅
晴れ男が雨男になる

  開催日 2021年7月5日〜7月9日
参加者 3名(会員1名、他2名)
報告者 伊藤謙二
報告日 2021/07/13

 この5年間、毎年7月上旬に北海道の夏山に出かけていたが時たま短時間エゾ梅雨らしき少雨に会うことがあっても殆ど晴天が続いていたのに今年は違った。地元の方に聞いたら今年の初夏は極めて天候不順だという。今回晴れたのは7日の移動日だけで行動日では曇りが最高で他は濃霧、雨の日々だった。今迄の晴れ男が今年は雨男になってしまった感がある。しかし天候、及び眺望に恵まれなかったもののその分、高山植物を存分に観察することができた山旅だった。

7月5日(月) 晴れ
 千歳空港に到着したのが11時前、今晩の宿泊地は増毛町の海岸沿いの民宿だが時間がたっぷりあるので明日の登山口の暑寒荘迄行ってみる。週末しか開けていない様でひっそりしていた。民宿へ行く途中でさくらんぼうを購入、これが結構うまかった。

(1) 暑寒別荘

7月6日(火) 曇りのち雨 暑寒別岳(1,491.6m)
 登山口で登山届を提出し出発したのが5:30AM。ヒグマ注意の看板を見て早速、熊鈴・笛をつける。山スキーヤーの「遭難者捜索中情報求む」の看板もあった。当初、暑寒別岳(1,491.6m) を登ってから雨竜沼湿原までのロングコースを歩く予定が途中の吊り橋修復の為、通行禁止となりピストン登山に変更したので気分は少々楽だった。されど曇天で晴れそうにない。蚊やアブが多いというので顔カバーネットや防虫スプレーを用意してきたが顔ネットは蒸し暑いので被るのを止める。
 トドマツ、ミズナラ等の樹林帯の中を唯々黙々と歩く。雨が降り出したがせめて8合目の扇風岩まで行こうとしたが7合目を過ぎた辺りで風雨が強まり9時過ぎに退却、登山口の暑寒荘に下山。結局この日に入山したのは我々だけだった。日本海の海岸沿いをドライブし石狩市の石狩温泉・番屋の湯に宿泊。海鮮料理を楽しむ。

(2) 登山口の登山届箱・熊出没注意の看板 (3) 遭難者捜索中の看板

(4) 暑寒別岳の案内地図 (5) シラネアオイ

(6) ミヤマトウキ (7) ゴゼンタチバナ

(8) ハクサンチドリ (9) チシマフウロ

トラック図 (7/6) 国土地理院地図
登行図(累計高度840m)

7月7日(水) 晴れ 移動日 神威岬
 一度行ってみたかった積丹半島の神威岬を歩く。対ロシアのトウチカ跡や岬の先にあるローソク岩、マリンブルーの海、エゾカンゾウ等の群落をみてからニセコグランドホテルへ移動。

(10) 神威岬の地図 (11) アマニュウ

7月8日(木) 曇り、濃霧 羊蹄山(1,898m)
 6時前に半月湖近くの比羅夫登山口を出発。エゾマツやダケカンバ等の樹林帯の中を黙々と歩き続けるが暑寒別岳に比べ蚊などの虫は少ない。林を抜けてもガスで全く展望も開けず且つペースも上がらないので他のパーテイーにどんどん抜かれる。9合目の上からは高山植物が沢山出てきてバチバチとシャッターを切る。父釜の大火口を見ながら歩き旧山頂の三角点を過ぎ岩稜帯を抜けると頂上着12時。6時間かかっている。
 頂上からの眺望も全くなく早々と京極コースを下山。余り人気がないのか比羅夫コースに比べ荒れている。途中の岩ゴロゴロの急斜面を慎重に京極登山口に降りる。折角なので羊蹄吹き出し湧水を見学後、ニセコ五色温泉旅館に向かう。ドライブしてからようやく晴れ頂上は見えなかったが羊蹄山の一部が姿を現す。蝦夷富士らしく堂々としている。途中、真狩村を通り過ぎたが歌手の細川たかしの出身地だそうだ。ニセコ五色温泉旅館に宿泊。

(12) オニシモツケ (13) ウコンウツギ

(14) イワブクロ (15) ミヤマオダマキ

(16) エゾツガザクラ (17) ミヤマキンバイ

(18) ウコンウツギとナナカマド (19) イワインチンとイワブクロ

(20) 羊蹄山山頂

トラック図 (7/8) 国土地理院地図
登行図(累計高度 +1580m/-1510m)

7月9日(金) 曇り、濃霧 ニセコアンヌプリ(1,308m)
 8時五色温泉を出発。見返り坂方面の看板を見て55年前の3月の合宿中に事故を起こし旧国鉄山の家にお世話になったことを思い出す。Time flies。相変わらずの濃霧で何も見えない登山道だが色とりどりの高山植物になぐさめられ2時間程で頂上着。下山後、千歳空港へ向かう前に支笏湖畔にある丸駒温泉で一風呂浴びる。日本秘湯を守る会の会員だけあっていい湯だったが残念ながら風不死岳は望めなかった。

(21) ニセコ山の家 (旧国鉄山の家?) (22) 見返り坂看板

(23) ニセコアンヌプリ山頂

トラック図 (7/9) 国土地理院地図
登行図(累計高度 +520/-610m)