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老熟壮年達?の富士登山
〜まだまだ登れる
「偉大なる通俗」の山〜

  開催日 2021年9月9日(木)〜10日(金)
参加者 5名(会員5名)
報告者 伊藤謙二
報告日 2021/09/14

 富士山大好き人間の一人である。途中で撤退した時も含めれば登山回数は20回を超えている。「富士山は、ただ単純で大きい」且つ「偉大なる低俗」と深田久弥氏は素直な誉め方ではないものの、「富士山は万人の摂取に任せて、しかも何者にも許さない何物かをそなえて永久に大きくそびえている」と褒めている。
 昨夏はコロナ禍の影響で閉山措置がとられ、2年ぶりの富士登山への参加者は、ASCの諸先輩(86〜78歳)と一緒の平均年齢が80.8歳のメンバー構成となった。

9月9日(木) 曇り霧
 コースタイム:スバルライン5合目発:13:50,7合目 東洋館着:17:05

 コロナ禍対策で2台の車に分乗してスバルラインに入ったが4号目の駐車場でまず検温、そして5合目手前1キロの駐車場でシャトルバスに乗り換えて5合目広場に到着。ここでも入山前体調確認自己チェックシートの提出を求められる。更に登山時の注意事項の説明を受けて富士山保全協力金1,000円を払い証明木札を頂く。時間が中途半端なせいもあろうが観光客がほとんどおらず一昨年に比べると人の数が極めて少なく閑散そのものだ。14時近くにガスで視界が効かない中を入山する。
 現在、日本在住外人しか富士山に来ていない筈だが黄色の僧衣を纏った坊さんが2人先行して時々祈りを捧げている様にも見える。後で聞いたらタイの坊さんだったが、なぜ富士山に登っているのか聞き逃した。黙々と登るが途中でトリカブトが結構咲いているのに驚く。今迄、気付かなかったがオオサワトリカブトと言うらしい。17時過ぎに本日の宿・東洋館に到着。ガスがかかっていて視界は聞かなかったが雨に降られなくて済んだ。

写真1 スバルライン5合目、
人手が少なく何となくさみしい
写真2 入山時の注意事項の説明を受ける

写真3 ガスの中を出発 写真4 タイのお坊さんのお祈り

写真5 タイのお坊さん、これは絵になる 写真6 タイのお坊さんに抜かれる

写真7 黙々と登る、我慢我慢 写真8 富士山にも沢山トリカブトがあるのを知った

9月10日(金) 晴れ
 コースタイム:7合目 東洋館発6:30,8合目7:10,天拝宮8:30,本8合目9:05,9合目10:30,吉田口頂上11:45〜12:25,ブル道7合目15:00〜15:10,5合目スバルライン広場 16:30

 東洋館のベランダから御来光を拝む。雲が厚く予定時刻よりも遅い5時20分の日の出となった。昨晩の食事も同じだったが、小学校の教室を思い出しながら小机の上で朝食を頂く。宿主は味気ない雰囲気の中で十分な接待が出来ず申し訳ないと言われていたが、Iさんのお陰でとても厚遇されていて文句など全くない。6時半に東洋館を出発、宿横の急な岩場から本日の登行が始まる。
 本日が富士山の最終小屋仕舞い日。既に閉めている山小舎もあるが、最終日なので荷下ろしにブルドーザが大活躍中。8合5勺の御来光館でアメリカ人らしき3人組に追いつく。眼下には雲海が拡がっているが八ヶ岳、甲斐駒が岳以外にも時たま雲の切れ間から御坂山塊や河口湖も望める。11:45に吉田口山頂到着。とても剣ヶ峰まで行く元気も残っていないので昼食をとる。9月7日に例年よりもかなり早い富士山の初冠雪が記録されたが、今ではそのかけらも残っていなかった。
 下山はブル道を降りるがスコリアが滑り易くペースが全く上がらない。まあ岩場で転倒するよりましだが、ブル道は緩やかな下りとは言え極めて長くその距離に半端はない。泉ヶ滝まで下ってから5合目駐車場までの最後のダラダラ登りにかかる。春山スキーの場合はこのルートで戻るといつもヘロヘロになりながら登るが、今回はスキー用具がないだけ楽に感じる。16時半、スバルラインの5合目広場着。先輩の皆様とご一緒出来てとても楽しい富士山行だった。皆さん、どうも有難うございました。

写真9 東洋館ベランダでの御来光を拝む 写真10 東洋館ベランダでの御来光

写真11 八ヶ岳、甲斐駒が赤く染まり始める

写真12 小学校の机? 写真13 朝食風景でした

写真14 東洋館の横から急登の始まり 写真15 小屋手仕舞いでブルドーザが大活躍

写真16 快晴の中を黙々と登る 写真17 ブルドーザが大活躍、もう下山者もいる

写真18 御来光館8合5勺のベランダのアメリカ人、
足がけむくじゃら
写真19 下を見ると続々と登って来る

写真20 9合目の久須志神社で一休み 写真21 河口湖が雲海の穴から見える

写真22 漸く吉田口頂上着

写真23 お釜の前で

写真24 全員集合記念撮影、剣が峰へは行かないよ 写真25 ブル道を転ばない様に黙々と下山

トラック図 (9/9(赤)+9/10(青))
国土地理院地図
登行図