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蓮華温泉二泊三日

  開催日 2022年04月08日〜10日
参加者 7名(会員3名,会員外4名)
報告者 柏木 充
報告日 2022/04/22

 今シーズン 栂池ロープウエーから天狗原はよく行くが、その先の蓮華温泉に行きたいと考えて電話を入れたところ、4月8日から二泊で運よく予約が取れた。白馬在住の方々と総勢7名、好天に恵まれた天狗原を超えて振り子沢経由蓮華温泉、翌日は雪倉岳、最終日は振り子沢を登り返した。

写真1 蓮華温泉ロッジ前のヤレヤレビール

4月8日(金)晴れ

 朝8:30に無料になった栂池駐車場に集合する。乗車券1540円を購入しゴンドラで8:45栂大門駅に降りるが、ロープウエーは運休のためここからシールでチャンピオンスキー場ゲレンデ〜林道を登り、早大小屋・成城小屋を右左に見て快調に登る。左側には真っ白な白馬山三山その左に五竜・鹿島槍の山々が屏風のように立っている中を進み11:45に天狗原祠に到着するも、風がなく暖かで、小蓮華へ上る人を見ながら小休止する。

写真2 天狗原到着

 12:15シールを外し新潟側北斜面を目指す。見渡せば右側に高妻山〜妙高山〜火打山〜焼山〜雨飾山が見えてくる。特に外輪山をまとった妙高山はレモン絞り器のような形でひときわ目立つ。7人はそれぞれのシュプールを描きながら振り子沢へ落ち込んでいく。徐々に灌木から針葉樹が多くなってくると沢が狭くなり、雪も重くなり、道標を頼りに滑ると、一つ目の橋の左岸側に出る。その先に二つ目の橋を渡るが、両側が急斜面でスピードを出して渡り切るのは両側の落ち込みを見ると腰が引ける。慎重にスキーを進め、右側の谷に注意しながら13:45蓮華温泉に到着する。人気がなく雪の壁にスキーを立て掛けて玄関に入って、大声で挨拶をすると奥のほうから宿の方がでてきてくれた。
 部屋に荷物を置き、缶ビールを1本買い込みスキー靴で裏の斜面を登り目当ての露天風呂に向かう。風呂は上下二つあり10分ほどで下側の風呂にいた男性に上の風呂の状況を尋ねると連れの女性が出たので無人と指をさすので、上の風呂めがけてもう少し登る。風呂が見えたところで、下のほうから女性の声がする。メンバーが水着で来たのかと振り向くが姿は見えない。再び上の風呂に入ろうとするとまた女性の叫び声がする。何かあったのかと思い振りむくとしたからシールで登ってきた女性が、「私が入るので入らないで」と叫ぶ。しかし女性専用ではないし私たちが先にとりついているので逡巡している間にこちらに来る。我々はしょうがないので譲ってあげたが礼言もなく釈然としない。早く入ってしまえばよかったと思うが後の祭りであった。後に女性はガイドとのこと。

写真3-蓮華温泉露天風呂 雪倉岳と朝日岳・五輪山
女性優先だそうです

YouTube (4/8 34分)

トラック図(4/8)
国土地理院地図
登行図(4/8)
累計高度(+) 970m/(-) 856m

4月9日(土)晴れ

 6:00朝食を7人で囲み、今日は朝日岳と雪倉岳とどちらにしようかと話し合い、帰りの瀬戸の橋からの登り300mを考えて雪倉岳に行くことにする。

写真4-温泉から左に見える雪倉岳に出発

 7:00に温泉を出発し林の中に滑り込みシールを装着する。ここから等高線沿いに進むが日陰ではアイスバーン状態で危険と判断し、一旦兵馬ノ平へ滑り込み迂回した後登り返して8:30に瀬戸川の源頭に出る。いよいよここから雪倉の滝に向けて沢を登る。谷の左側は日陰になってカリカリの斜面にシールを利かして登るが、急斜面で私の左スキーがはずれて流れ出したのをメンバーが取り押さえてくれた。助かった。流れ止めを省略しビンディングをきつく締めておかなかったせいだった。
 傾斜が緩みだしてから谷の右側をキックステップで登る。左の上のほうは雪が口を開けていて危険なので右側によりながら登り9:30 標高1650m地点の雪倉の滝横鞍部で一休みして水分を補給する。まだ頂上は見えず広大な登り斜面が広がる。雪は緩んでいるもの、シュカブラになっているもの、フィルムクラストになっているもの、弱いアイスバーンのものと多様で結構てこずりそうだ。15分後に登頂を開始する。変化の激しい雪を踏みしめて雪を切りながら登っていくが、やがて風が強くなりだした。
 10:30標高1930mの鞍部灌木地帯まで来ると風がひときわ強く吹き、前方にこんもりと雪をかぶった雪倉岳頂上が見えてきた。休憩しながら強風とアイスバーンが続くであろう山頂に続く斜面を見ながらメンバーの満足そうな顔がある。今日はここまでと決めて滑降準備に取り掛かることに決めた。こんなに山深い誰もいない斜面を滑り込むのには怪我や雪崩が大敵、十分注意していこう。

写真5-雪倉の鞍部1930mから山頂を望む

 10:55大きな東向き斜面を蓮華温泉方向にドロップインし多様な雪を削りながら風を切って落ちていく、途中何度か立ち止まるも一気に瀬戸川源流部まで滑り込む楽しい。11:10昼休憩とした。

写真6-瀬戸川源頭で昼休憩、これよりシールでまた登る

 休憩後はシールの脱着を2回行い上り下りを楽しみながら13:30に蓮華温泉に到着し、充実感を感じながら内湯へ入り昨日までいなかったおおくのスキーヤーが蓮華温泉に戻ってくる中外のベンチで宴会となった。

YouTube (4/9 37分)

トラック図(4/9)
国土地理院地図
登行図(4/9)
累計高度(+) 1,003m/(-) 998m

4月10日(日)晴れ

 今日も晴れで、7:00に蓮華温泉前で近くの人に記念撮影をお願いする。

写真7-出発前に蓮華温泉ロッジ前で記念撮影

 天狗原までの標高差800mのひたすら登りのシール登高を開始する。宿から橋のところまでは急な谷を左に見ながら慎重に進み道標に従い沢底を忍耐強く登る。振り返ると朝日岳と五輪山がまたおいでと手を振っているようだ。太陽が東側の尾根の上に登るにつれて暑さが増してきた、日焼けを気にしながらジャケットを脱いで半袖になり、パンツの横ジッパーも開放してみる、これなら涼しくてよい。歯を食いしばりながら10:20天狗原祠に到着し、小休止しシールを外す。あとは滑り降りるのみで足が持つか心配になる。
 10:50滑降開始。栂池の成城小屋を右に見て早大小屋を左に見て降りる。雪はどんどん重くなりゲレンデに出ると雪は荒れてはいるがスピードが出て一気に11:50駐車場まで滑り込んだ。
 今回は最終日に振り子沢を登り返したが、前日までに足を使っているのできつい。次回は木地屋に滑り降りるルートで朝日岳を登りたい。