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5月連休の北アルプス
長走沢、マヤクボ沢

  開催日 2022年5月3日,4日
参加者 7名(会員1名,会員外6名)
報告者 平野裕也
報告日 2022/05/13

 今年の連休も混雑を避け岳峰ヒュッテベースで手近な沢滑りを楽しんだ。一本は猿倉からほど近い長走沢、もう一本は針ノ木のマヤクボ沢。好天に恵まれたが4日は気温が上がったマヤクボ沢で湿雪の表層雪崩に見舞われ仲間が100mほど流されたが、幸い軽い捻挫と切創で済み、事なきを得た。

5月2日(月)
 夕刻までに三々五々岳峰ヒュッテに集合、囲炉裏宴会でスタートしたが明日に備えて早めに就寝。

5月3日(火)晴/長走沢
 気温は低いが風も弱く絶好のスキー日和。8時前に猿倉駐車場に車を置き30分ほどで出合に到着。標高を上げるに従い昨日の雪が15〜20cm程積もり、雪面がフレッシュな白に覆われて気持ちが良い。標高2100mの樺ノ木平に到着、流石にコルを吹き抜ける風は強く寒い。
 いざ滑降と思ったら左のビンディングが壊れテレマークのかかとの抑えが全く効かないことが判明。騙しだまし滑降を続け1時半近くに出会いに到着、フキノトウを摘みながら岳峰ヒュッテに戻った。

(1) 長走沢出合

(2) 樺の木平に向けて

(3) 長走沢上部の滑走 (4) 宴会開始

5/3 長走沢ルート 国土地理院地図
5/3 登行図(累計高度 990m)

5月4日(水)晴/マヤクボ沢
 扇沢駐車場は例年通り満杯で一番下の駐車場にようやく駐車、長々歩いて8時に扇沢のバスセンターに到着。すぐに沢沿いの橋に降りようとしたら遭対テントのおじさんから「雪が切れて右岸沿いはスキーでは登れないよ」とアドバイスされる。
 しばらく林道沿いの登山道を登って作業道にかかった橋経由で8時40分に針ノ木雪渓に到着。雪渓上部を登っている登山者やスキーヤーが豆粒のように見える。例年この辺りはデブリランドと化しているのに今年は驚いたことにとてもきれいな雪面だ。だんだんきつくなる登りをあえぎながら登るにつれ標高2000mあたりから両岸とも湿雪の雪崩が見られる。

(5) 針ノ木雪渓下部

 マヤクボ沢出合には11時半に到着、標高2400mに到達したとき上部でボーダーが「雪崩!」と叫ぶ声が聞こえると間もなく、先行していた我グループメンバー3名の上部から雪崩が襲ってきた。2名はかろうじて流れから外れたが1名がデブリの上部に乗った形で流され100mほど落下したが湿雪雪崩なので速度が遅く、中に巻き込まれないで右岸側に逃れることができた。
 幸い軽い捻挫程度で滑れる状態だったのでここで登高を止め微妙なバランスで滑降準備して14時30分に扇沢到着。夜の宴会では雪崩事件が格好の話題として盛り上がったのは言うまでもない。

(6) 左岸の雪崩/YouTube (19sec) 

(7) 針ノ木側の雪崩

(8) 針ノ木雪渓を滑る

(9) 夜はベランダでバーべキュー (10) 布団の中で冬眠していたヤマネ

5/4 マヤクボ沢ルート 国土地理院地図
5/4 登行図(累計高度 1100m)

5月5日(木)
 ごみの焼却など早めに済ませそれぞれ帰宅の途に。連休最後の高速はどこも大混雑だったようだが我々は昼過ぎに帰宅することができた。