開催日:2025年2月21日~25日
参加者:5名/福森ほか4名
報告者:福森亮二
報告日:2025年3月17日
田沢湖スキー場の横にある「山荘イーグル」という一棟貸しの貸し別荘に宿泊し、乳頭山、秋田駒ヶ岳、森吉山に行ってきました。
日程:
2月21日 移動日、山荘イーグルの裏山である黒森山まで1時間ほどの足慣らし。
22日 乳頭山
23日 秋田駒ヶ岳
24日 森吉山
25日 移動日
参加者は福森ほか4名。牛尼さんも参加予定だったが、直前になり都合がつかなくなってしまった。

乳頭山(2月22日)
7:23 休暇村の少し下の駐車場出発
7:38 大釜温泉横の林道へ。シール歩行開始
7:58 孫六湯
9:39 1178m
10:16 田代平山荘
10:41 山荘発
11:35 乳頭山山頂
11:51 滑走開始
12:40 田代平山荘
13:26 トラバース開始
13:46 トレース復帰
13:48 林道に出た
14:12 国道に出た
14:27 駐車場
休暇村の下の無料駐車場(田沢湖高原駐車場。道の南北両側にあり、北側には公衆トイレもあるようだ。南側に駐めた。)に駐車。スキーをかつぎ、15分ほど、距離にして1kmほど舗装路を歩いて大釜温泉へ。大釜温泉から孫六湯までの道路は、車は入れない狭い幅だが除雪されており、その上をシールで歩ける。
孫六湯の登山口の看板のところから、登高開始。

ほんの少しトレースらしき跡があったが、すぐに見えなくなり、そこからはフルにラッセル。深さは膝下くらい。尾根筋を登っていく。



940m小ピークは右手から少し巻き気味に登った。そのあと1段、50mほどの斜面をジグを切って登ると緩斜面になり、あとは延々、緩斜面が続く。ブナの巨木の森で、とてもいい感じの森だが、この深雪だと斜度が足りないか(藤巻尾根の癒やしのブナ林と似た感じ)。
天気はイマイチでホワイトアウト。田代平が近づくと平らなので進路が難しい。樹氷原が広がっており、幻想的な景色。





田代平避難小屋で休憩・補給。
ガスガスで何も見えないが、山頂へ。山頂直下は、植生がなく、ウインドクラストしていた(このあたりはニセコと似ている。)が、そこまでカリカリではなく、シールで登れた。

山頂からしばらくは、雪面が固いので慎重に下降。少し降りると雪は柔らかくなったが、視界が乏しいことは変わらない。
右往左往しながら田代平より少し上まで下ってくるとちょっと視界が出てきた。


田代平避難小屋まで戻ると、後続パーティが休んでいた(この日の入山者はわれわれとこのパーティだけだった。)。
私は田代平避難小屋の少し手前でシールを貼っていた(平らで少し登り返しもあるがスキーで行けなくはない。他のメンバーはスキーで行った。)ので、田代平を少し過ぎて傾斜が出てきたところでシールを取って滑走開始。
気温は低く、雪は非常にいいが、傾斜があまりないので、ほぼ直滑降のみ。それでも気持ちよくどんどん滑れる。緩斜面最高。





940m小ピーク手前まで戻り進路を相談。面倒だがシールを貼って20m登るのが安全策だが、右手から巻けそうだ、ということでトラバース開始(左手(南面)のほうが、小さく巻けるようだ。)。行ってみると地図にはない小さい沢が入っていたりしてかなり高度を失ってしまったが、それでもなんとか回り込み、トレースに復帰。トレースを少し滑ると孫六温泉。
スキー場跡を登り、8合目までは道路もある秋田駒ヶ岳、スキー場がありスノーシューハイカーも多い森吉山と比べると、山スキーヤーしか入山せず、人工的な施設としては田代平避難小屋ぐらいしかない乳頭山は、自然度が高くていい山だった。立派な樹氷モンスターもあった(森吉山ほど有名でないのは、それなりに登る必要があるからか。)。
秋田駒ヶ岳(2月23日)
7:00 アルパこまくさの駐車場(670m)を出発
8:45 旧ゲレンデトップ(1030m)
9:15 林道で沢を渡る。
10:25 八合目避難小屋
10:50 避難小屋出発
12:09 阿弥陀池避難小屋
12:38 阿弥陀池避難小屋出発
12:50 男女岳に登っている際、Eさんの鼻の色がおかしいことが分かり、撤退決定。登路を戻った。
13:02 阿弥陀池避難小屋
13:49 八合目避難小屋
14:13 旧スキー場ゲレンデトップ
14:23 アルパこまくさ
アルパこまくさの駐車場に車をとめたが、除雪車のオペレータが、アルパこまくさのすぐ近くではなく、北側にある駐車場がよいと教えてくれた(除雪でできた断崖がなく、簡単に旧スキー場にあがれる。トレースもうっすら残っていた。)。

半分くらい埋まった前日のトレースにそって旧スキー場の切り開きを登る。斜度はゆるい。沢をわたって少し登ったあたりから林道をショートカットして斜面を登る。ここも斜度はゆるい。

雪は多い。カーブミラーがほぼ埋まっている。





八合目避難小屋に着き、中で休憩・補給をしていたら、3人組の後続パーティが来た。地元の人たちのようだ。阿弥陀池避難小屋までは、途中から彼らが先を行ってくれた。ホワイトアウトでどこを登るのが正解か分からない(どこでも登れそうな傾斜ではあったが、知らずに雪崩斜面に入ってしまう恐れもある。)ので、ありがたかった。
途中にある20mほどの小ピークを越えて、少し下り、阿弥陀池小屋へ。


入口に雪が詰まっていたが、先行パーティの人が取り除き、避難小屋の中に入れるようにしてくれた。小屋の中でどうするか相談。先行パーティは天気が悪すぎるので、小屋から登路を戻るという。われわれは、頂上を踏んだことがないので、山頂まで行ってみることにしたが、完全なホワイトアウトで何も見えない。Hさんがスマホ(の地図)で、このあたりだろうと進む。私も磁石で方向を確認したが、おおむね合っているのであとをついて行く。ちょっと歩くと登りの斜面になったので、ぼちぼち登っていく。風雪はかなり強い(が、富良野ジャイアント尾根ほどではない。三田原の稜線ぐらいかなあ、などと言いながら登っていた。)。ふと、Eさんの顔を見ると、左の小鼻の色がおかしい。全体が赤っぽい皮膚の色だが、左の小鼻だけ白い血の気のない色になっている。

本人は大丈夫そうだったが、もし、凍傷だったら大変なので、降りることになった。視野がないホワイトアウトの中、GPSを頼りに阿弥陀小屋まで戻り、さらに20m小ピークへ。先に下ったパーティは、この小ピークを右から巻き気味に下っていた(一瞬、ガスが薄くなったとき、トレースが見えた。)。巻いても良さそうだったが、昨日のこと(巻きのトラバースで、それなりに苦労した。)もあったので、20m小ピークをシールを付けて登り返し、1530m付近でスキーにして戻して滑走した。このあたりでも視界がほとんどなく、スキーにしても最初のうちは、横滑りでじりじり高度を落とすことしかできなかった。とは言え、少し降りると少し視界が出てきた。


滑走としては、阿弥陀池小屋から八合目小屋までの間だけが、ある程度斜度がある。短かったが八合目小屋までは滑走を楽しむことができた。

新雪がかなりあったこともあって、八合目小屋から下は、ほぼトレースをなぞる林道ボブスレー状態だった。


Eさんの小鼻は、結局、大丈夫だった(凍傷にはなっていなかった。)。あれは何だったのだろう。

森吉山(2月24日)
9:37 ゴンドラ山頂駅出発
10:17 石森
10:32 避難小屋(埋まっている。掘り出すのは大変そう。)
11:08 森吉山山頂
11:28 滑走開始
11:48 阿仁避難小屋
12:05 石森
12:10 森吉神社避難小屋
12:40 出発
13:06 山頂駅
13:35 山麓駅帰着
秋田遠征3日目。森吉山へは、北側から登る(テレマーク山荘から)という案もあったが、テレマーク山荘までの除雪があるかどうか不明だった(テレマーク山荘は数年前から営業しておらず、降雪ごとの除雪は行われていない。)のと、ラッセルがあると頂上まで届かない可能性もあるので、阿仁スキー場からの楽ちんコースに。
山荘イーグルを6時半すぎに出発。新雪があり田沢湖スキー場の駐車場の出口の坂が登れない(停止状態からだと空転する。)。少しさがって勢いをつけて突破。先が思いやられる。2時間15分くらいかかって、ようやく阿仁スキー場着。道中、道路がほとんど雪の大谷状態になっており、路面は圧雪状態で、グリップが信用できない。なかなか大変な移動だった。
3連休最終日で1番天気がいい。阿仁スキー場はさすがに車がいっぱい。スキー、山スキーもいるが、スノーシューの人が多い。ゴンドラ片道料金は1400円。山頂駅でシールを貼って出発。樹氷見物の人で混雑している。

ルートには、狭い間隔でピンクテープをつけた竹竿が立ててあり、トレースもバッチリなので、ホワイトアウトで何も見えなくても、迷う心配はない。



石森を経て阿仁避難小屋。小屋はほぼ雪で埋まっていた。

山頂手前で少し青空が見えたが、一瞬でもとのガスガスに。


ホワイトアウトの山頂で記念撮影

視界がないので、北面の滑走は断念し、来た道を戻り、森吉神社に行ってみることに。石森手前でシールを付けて神社へ。
神社の横に立派な避難小屋があった(森吉避難小屋)。1階は明るくて広く、灯油ストーブも2台。灯油もたくさんデポしてあった。トイレもあった。

森吉神社の前で記念撮影

スキー場に戻り、スキー場横の林の中を滑ったりしながら下山。
阿仁スキー場のゴンドラを使うと、傾斜のあまりないトレース歩きだけになり、山スキーという感じにはならない。今回は、初めてだったし、ルート研究が不足していたかも知れない。
山荘イーグルについて
田沢湖スキー場の駐車場のすぐ横にある2階建てのかなり大きな別荘のような建物。露天風呂もある源泉掛け流しの温泉付。1組限定、1棟貸し。MAX15名宿泊できる。暖房はFF式ファンヒータが3台。ほか洗面所、脱衣室には、普通の石油ファンヒーター。薪ストーブもあり、暖かく過ごせる。鍋釜食器カトラリー類などは完備。調味料と食料を持参して自炊。冬は1泊5000円。https://sanso-eagle.com/

トップページの「続きを読む」が重複して表記されるエラーがありましたので再度新しく編集し直しました.秋田の山スキーツアーを満喫されましたね.
福森さん 一棟貸し山荘と車の機動力を活かしての素晴らしい山行ですね。偶然ですが2/25日柏木さん半田さんと森吉に入っていました。すれ違いでしたね。私も来シーズン森吉再挑戦考えています。
この辺りでは玉川温泉から焼山も面白そうです。
イーグル山荘は自炊ですが、快適なようですね。
来年は使ってみたいと思います。
雪がいいですね!