開催日 2025年1月10~14日
参加者 3名(会員1名、会員外2名)福森、中山、前田
報告者 福森亮二
報告日 2025/03/26
昨年同様、白銀荘に宿泊し、周辺の山に日帰り山スキーを行った。北海道は今年、残念ながら雪が少なかった。毎日、天候はよく、素晴らしい景色を堪能できたが、新雪滑走という点ではイマイチだった。
1月10日 移動日。食料の買い出しなどもあり、白銀荘到着は15時半ころになってしまった。
1月11日 富良野岳ジャイアント尾根(ベベルイ沢滑走)
行動経過:
7:20 出発
8:08 1100m付近でベベルイ沢をわたる
9:40 1530m 1回目の滑走へ
10:00 滑走開始。
10:07 1420mあたりまでの滑走。よい雪。
10:20 少しゆっくりしてからトラバース開始
10:50 1420mまで戻り、2回目の滑走へ
10:59 滑走開始
11:30 ベベルイ沢左岸沿いの斜面を滑走し、トレースに復帰
12:07 最後で降りる方向を間違えて、一つ下の堰堤の上に出てしまった。飛び石渡渉し、シールを付けて登り返し
12:19 道路まで出た。
12:29 駐車地点に戻る
5時前に起きて準備。7時に駐車場につくと残りは2,3台という感じだった。あぶれた車は、十勝岳温泉に登っていく道の路肩に路駐していた。ベベルイ沢の横断は去年の反省を踏まえて歩いて。小さな橋がかけてある。スキーを持った状態だと不安定なので、スキーはえださんに対岸に放り投げてもらい、ストックをついて慎重に渡った。
しばらくはベベルイ沢の右岸を、1100mあたりで沢をわたり左岸へ。さらにジャイアント尾根に登っていく。


登るにつれて、左手に谷をはさんで十勝岳温泉、三段山の崖尾根、噴煙をあげる十勝岳がみえてきた。珍しく見通しのきく天気。去年はこんな景色はまったく見られなかった。

トレースを登り1200mあたりで尾根に出たが、尾根にでるとある程度風がある。それほど強い風ではなかったが、気温が低く、手がかじかむ。白銀荘に帰ってから気づいたが、ポカリが凍っていた。かなり気温が低かった。

1530mから1回目の滑走。去年の2回目のスタート位置ぐらいから。いい雪。沢の中に入ると風も弱く、尾根上と違って天国に感じられた。尾根にトラバースして登り返し、2回目の滑走へ。今年は、ベベルイ沢左岸を滑ることにした。


よさげな斜面を見つけて滑走。トラバース。滑走の繰り返し。適宜林間滑走をして登りのトレースに出た。あとはトレース沿いを戻ったが、最後、沢に降りるところで適当に下りすぎて、変なところに出てしまった。スキーを担ぎ、歩いて渡渉。飛び石伝いに渡れたのでたすかった。トレースがあったので、シールを付けてトレースを登り返して道路まで出て、駐車場に戻った。同行者は、ちゃんとトレースどおり戻っていた。無線で連絡がつき、状況を知らせることができたので、心配をかけずにすんでよかった。
気温が低く、尾根上は風が強くて寒さが厳しかった尾根に出る前に着込んだり、バラクラバを付けたりといった防寒対策が必要。手も風が強いと寒く感じたので、インナー手袋+防寒テムレス+オーバー手袋の3重にしたほうがいいかも知れない。
寒くて手袋が外せないので、スマホは使えなかった。デジカメとガーミンGPSが役に立った。 寒すぎて行動食を食べる余裕がなかった。行動中にとったのは魔法瓶の暖かいドリンクだけ。ポカリは凍りついていた。白銀荘で行動食のサンドイッチを温めなおして昼食とした。午後は、昼寝をしたり、温泉でゆっくり暖まったりして過ごした。

1月12日 十勝岳温泉から崖尾根(三段山)
行動経過:
9:54 十勝岳温泉の駐車場を出発
10:16 崖尾根の上へ
11:25 1522m地点
12:00 1670m 登高終了
12:24 中山さんを待ち、滑走開始
13:06 白銀荘帰着
去年、白銀荘に来たときに、常連客らしいおじいさんから聞いた十勝岳温泉から崖尾根を登るルートに行ってみることに。9:24白銀荘発のバス(上富良野町営バス。町の中心部から白銀荘を経て最後は十勝岳温泉凌雲閣まで行く。1日3便)で十勝岳温泉へ。15分ほどで十勝岳温泉到着。料金は無料だった(3月末まで。観光振興策で補助金でも出てるのかな。)。谷の向こうに昨日登った富良野岳が見える。上ホロカメトック山にかけての稜線もよく見える。天気がよく初めてみる景色で素晴らしい。
駐車場からシール登高開始。

大勢登っている。この日は、気圧勾配が緩やかで、風があまり吹かなかった。日差しもあったので、登高中は暑いぐらいだった。1322m地点の北側から崖尾根に登る急斜面の登り。崖尾根の上にスキーで登れそうなところは、ここぐらいか。

トレースはあるがかなり傾斜が強く、ここが最初の難関。上から見下ろすとこんな感じ

崖尾根まで登ってしまうと、しばらくは、なだらかな尾根。



1420〜1440mあたりで再度傾斜が強くなる。右は崖尾根、左は三段火口でどっちに落ちても急斜面。クトーをつけて慎重に登った。この日は条件がめったにないほど良かったので、1522mからさらに登行を続け、1670m付近まで登った。

前田さんは中山さんが登ってくるまでの間を利用して三段山山頂まで行ってきた。
滑走は適宜良さそうなところを探して滑走。雪の量がまだ少なくハイマツが完全には埋まっていない場所が多い。雪のたまっている場所には無数のシュプール。このところ雪があまり降っておらず、リセットされていない。ハーフパイプ状の浅い沢の日影になっている部分はなかなかよかった。

適当に滑った下部の樹林帯の中のほうが、ふかふかでシュプールもなくてよかった。

最後は切り開きに出て、不整地スキー場を滑り降りて終了。

11月13日 十勝岳
行動経過:
7:35 白銀荘出発
8:02 富良野川振子沢を渡る
9:09 十勝岳避難小屋
9:21 登高再開
10:17 1620mまでで登高終了
10:30 滑走開始
10:41 避難小屋まで戻った。休憩
10:57 滑走再開
11:15 振子沢 11:35 白銀荘帰着
今日は十勝岳へ。今日も天気がよく雪が降らない。去年は1番手前のカバワラ尾根を登ったが、今年は、少しだけ足をのばし、十勝岳避難小屋に行ってみることに。中山さんは筋肉痛とかでお休み。白銀荘から夏道沿いのトレースを辿って、振子沢をわたり、さらにカバワラ尾根に登っていくトレースとわかれて、千春沢をわたり、避難小屋を目指す。目の前にはよさげな斜面が広がっているが、そこいらじゅうシュプールだらけ。



シュプールのないところには、岩、ハイマツがあちこちに顔を出している。地元の人によれば、積雪量が例年より1mは少ないらしい。白銀荘から1時間半ほどで十勝岳避難小屋。扉の内側は風よけ室になっており2重扉をあけると、中央は土間。周囲にベンチを兼ねた板の間がある。西側の板の間は広くなっており、ここで寝るのだろう。防災用ヘルメットがたくさんかけてある。毛布も衣装ケースに入れておいてあった。

休憩後に再度、登高開始。前十勝の山頂目指してナナメに登った。大正火口の少し下まで行ったが、噴煙が間近。

追い風なので噴煙はこっちには来ていないが、風向きが変わるとやばいかも知れない。こんなに天気がよく、高いところまで登れるとは思っておらず、噴煙にどこまで近づいても大丈夫なのかをきちんと調べてこなかった。あんなにあったトレースもなくなった。ということで登高を終了して滑走へ。三々五々登ってくる人も見える中、避難小屋まで滑走。2,3日降っていないが、気温が低いせいかまだパウダー。あっという間に避難小屋。避難小屋で行動食のサンドイッチを食べて少し休憩。小屋からは傾斜が落ちる。雪の良さそうなところを選びながら、滑走し、白銀荘に戻った。気をつけたつもりだったが、滑走中、何回か雪の中に隠れている石を踏んでしまった。
雪が降らないので、白銀荘の前の切り開きもシュプールだらけ。パウダーが滑れるなら午後の部もありだが、新雪がないので、モチベーションがあがらない。午後は白銀荘でまったり。

1月14日(三段山)
行動経過:
7:30 白銀荘出発
8:55 1370mで登高終了
9:18 滑走開始
9:48 白銀荘帰着
最終日。飛行機の時間もあるので、短めのツアーということで、南富良野のたけのこ山(社満射岳)を予定していたが、このところ雪が全く降らず、滑走に多くを期待できないので、最終日の行き先は三段山となった。切り開きよりも西側に行けば、樹林帯の中はまだ新雪が残っているのでは、という算段。ということで、切り開きよりもかなり西側の尾根上を登高。

森林限界を少し越えて、1370mまで登ったところで雪が固くなり、ハイマツがあちこちに顔を出している状態になってきた(雪が少ない)ので、登行終了とした。
おおむね登路を滑走し、白銀荘に戻った。トレースは少なく、それなりに新雪滑走を楽しむことができた。


今年は遠征中、ほとんど新雪が降らなかった。毎日天気がよく、とくに朝のうちは見通しがきいて、景色がよかった。登りは楽だったし、景色もすばらしかった。しかし、新雪がないので、あちこちシュプールだらけ。雪という点では天気の悪かった去年のほうがよかった。景色を立てれば雪はダメ。なかなか難しい。
キャッチ画像なかなかいいですね.これからも魅力的な投稿宜しくお願いします.